|
ピットは爆縮型核兵器において核分裂性物質およびそれに取り付けられた中性子反射体またはタンパーからなるコアのことで、桃やアンズの固い種にちなんで名付けられた。1950年代に実験に供された核兵器のピットはウラン235のみ、あるいはウラン235とプルトニウムの複合材で作られていた〔"Restricted Data Declassification Decisions from 1945 until Present" – "Fact that plutonium and uranium may be bonded to each other in unspecified pits or weapons."〕が、プルトニウムのみとする方が小型化できるため1960年代初めにはプルトニウムのみで作られるようになった。 == 設計 == === クリスティ・ピット === 最初の核兵器に用いられたピットは均質型で、中心に ''urchin'' が収められていた。ガジェット と ファットマン は400 ℃・200 MPaでホットプレス成形した直径 9.2 センチメートルの半球型ピット(中央に点火器を収める直径 2.5 センチメートルの空間を設けてあった)を用いていた。ガジェットに用いられたピットには厚さ0.13 ミリメートルの銀が電気めっきされていたが、膨れを生じたため削り落として金箔を張り直さなければならなかった。このため、ファットマンで用いられたピットにはニッケルメッキが施された。中空ピット(hollow pit)の方が効率が高いことは分かっていたが、爆縮レンズに求められる精度が非常に高くなることから技術的リスクを避けるためガジェットおよびファットマンには使われなかった。 後の設計では中性子点火器 ''TOM'' を使用したが、収容スペースが直径 1センチメートルで済むようになった。その後は内蔵型の中性子点火器は使われなくなり、ブースト型核分裂兵器ではパルス中性子源が利用されるようになった。 この設計は、エドワード・テラーのアイデアを元に実設計を行ったロバート・クリスティにちなみ、クリスティデザインと呼ばれている。 ピット本体を含む物理設計全体には非公式に「クリスティ(の)ガジェット("Christy Gadget")」という愛称が付けられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピット (核兵器)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|